社内ニートを経験して思ったこと

社内ニートから普通の会社に転職した20代後半会社員の戯言である。

今日も特に必要とされていないのに出社を強いられ、社内ニートと検索しこのページに辿り着いた方に向けて、少しでも笑ってくれたり背中を押すことができたら幸いだと思い、この記事を書くこととする。

(ただし、社内ニートの辛さには個人差があります。症状が深刻な方は、転職エージェントへの相談をお勧めします。)

社内ニートで身についた業務

効率の良いことよりも、業務している(ように見える)時間を増やすことの大切さ

いかに時間を使い、手が開く時間を減らせるかが、業務の核であった。
Command+Cなんかは使わず、予測変換が出ていてもわざわざ自分でキーボードを打って時間を稼ぐ。

唯一手間がかかる業務もあった。が、それさえもすぐに終わってしまうので、完成したものを消去しまた一から作り、それを何度か繰り返す。手持ちの業務は心の拠り所なので、簡単に消費しない。

社内スケジュールを共有しているブラウザをひたすら眺め、他の社員のスケジュールを把握しておく

電話に出る際、取次をスムーズに行えるよう、とりあえず役員クラスの人々のスケジュールを眺めることは立派な業務だ。

先程、業務は少しでも引き延ばしたほうが良いと自分で言っていたが、電話応対だけは社外の人も関わってくるので例外的に引き伸ばせない。

担当者が離席中の場合は伝言メモをやたら丁寧に書くことで時間を少しでも経過させよう。

業務内容で覚えておく必要があることなど特にないので、その分、他人のスケジュールを秘書かと思うほどに把握することも可能。

1時間ごとに予定がびっしり埋まっている縦長の枠を抱えた人は、祝日の名称くらいしか記載されない自分のスケジュールを見てどう思うのだろうか。

それにしても業務中に外出し、商談を終えて社内に戻ってくる人は移動時間を稼げて羨ましかったな。

1時間ごとにとりあえずトイレに行く。

業務のメリハリは皆無なのでそれくらいしか時間を区切りる術がない。

あまり頻繁に行きすぎると、プライベートで外出した時にも癖が抜けず、なかなか苦労することになるので注意。

デスクの下で足を上げる筋トレ

〜続かない〜

営業電話をかけてきた会社について30分くらい調べる

とりあえず地方にある取引先の天気を調べておく

海外の場合は時差も考慮し思いを馳せる

メモや付箋に適当に絵や感情を書く

ほとんど内側に折り曲げ、内容を読まれないように捨てるが、会社への愚痴を書きすぎた場合は持ち帰ることもあった。

たまにオシャレなイラストっぽい落書きが誕生したりするが、特に役に立たないのでゴミ箱行き。

こう思い出すとバリエーションに富んでいるように思われるが、終わりが見えない社内ニート生活はめちゃくちゃしんどい。責任感は感じないが、誰からも認められない場所に通勤することほどしんどいことはない。

また、自分の場合は他人から死角のような場所にデスクがあったからできたことも多い。

社内のレイアウトによっては、パソコンの画面部長から丸見えで、更にできる業務が限られてしまうだろう。

社内ニートが終わり困ったこと

私は運良く転職ができ、今のところ社内ニートからは脱却できたが、今度はまた困ったことが出てきた。

青空文庫を読む時間が無くなった

小説を読んでいると時間がすぐ過ぎるので、社内ニートにとっては数少ない味方だろう。
ファイルで開くと文字も小さいので後ろを通ったくらいじゃ何をしているかわからない。
一気にコピーしエクセルのシートに貼り付けて読んだりもした。
当然新しい会社で読めるはずもないので、週に数時間確保できていた青空文庫タイムは終了してしまった。

時間が潰せるので読んでいただけで、わざわざ時間を作って読むほど読書の習慣が身についていなかったことに気付く。


ただ、青空文庫という存在にどれほど助けられたか。通勤時間に読める心の余裕ができるといいな。

エクセルやメールサーバーを意味もなく往復することで時間を潰すクセが治らない

転職しても暫くは会社の戦力にならないので、仕事を貰いにいかなければならない。上司や先輩社員の余計な仕事を増やすんじゃないかと思い躊躇する以上に、社内ニート時代に、「何かすることありますか?」と聞いても、無い、と言われた記憶が蘇りなかなか聞けない。

前の会社のことを聞かれても答えられない

業務を進める中で、前の会社のときのやり方を聞かれることは多い。

面接の時は社内ニートであることを必死に取り繕ろえたとしても、入社後にもその試練が待っているとは思っていなかった。

また、緊張している新しい職場の中で、前の会社のことを聞かれ、社内ニートだった過去を思い出させられたのは結構辛かった。

勿論、業務の進め方を指示する上で参考のために聞いていることも理解している。悪気はない。前の会社ではどうしていた?なんて聞かれても社内ニートなのでネットサーフィンしてました、なんて言えない。

営業電話をかけてくる会社への知識がなくなる

日本全国の今日の気候がわからない日々を過ごす

海外の気候も知らないで1日が終わる

最後に

改めて振り返ってみると、社内ニートによって刻まれた傷は、想像以上に深いんじゃないかと感じた。それはきっと経験した人にしかわからない辛さである。

暇なことで苦痛や後ろめたさを感じるかもしれないが、社内ニートをさせられている貴方は何も悪くない。仕事を振らない会社が悪いのである。

数ヶ月前の自分と同じ、もしくは自分よりも、肩身が狭く辛い思いをしている人がいるのならば、この記事で少しでも背中を押せればと思う。笑ってほしい。

仕事がある人は、社内ニートのことをちょっとでも思ってあげてほしい。そして、その辛さについて少しだけ想像してみてはくれないだろうか。やりたくないよね?辛そうだよね?

最後に、私が前職で仕事がないことを上司に相談したところ言われた「でもやることないことは仕方ないから、今あること引き延ばして時間潰すしかないよ」を捨て台詞とし、この記事を締めようと思う。

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